2007年01月30日

すまい方日記・その12

平成18年12月某日・子供室について

Mさんの家族構成は御夫婦+姉妹の4人(プラス犬1匹)家族です。2階に子供室が2室(6畳)ありますが、おねえさんが17歳、いもうとさんが12歳とこれから5年後、10年後のライフスタイルを考えると個室を2室作っちゃうよりは、ワンルームにて家具で間仕切ることを考えた方がいろいろ対応が可能です。Mさんに限らず、設計をご依頼いただく方の家族構成はお子さんが複数の場合が多いので、良く提案させていただきます。



上図が1室を家具で間仕切り、2室の子供室にしたレイアウト案です。

分かり難いので実際の実例(A邸)を紹介しますと


こんな感じで12畳の部屋を家具で間仕切り,2室にしてあります。間仕切りの家具は奥行きが60センチありますので、真ん中の本棚の部分は奥行きは半分の30センチで両面あります。両サイドのワードロープはたがいに方サイド使用し、背面を掲示クロスにして有効利用しています。(この掲示クロスが意外と子供たちに人気です)。もちろん分解できますので、このように↓


片方にクローゼットスペースを作ったり、


壁面に寄せて、広くワンルームにすることも可能です。ただし、分解できるとはいえ、大きいので移動時は少し大変ですし(大人2名は必要)、予算も上記の家具で40万くらいかかりますので、通常のクローゼットを大工さんに作ってもらう場合との差額で25万くらいのアップとなります。

Mさんにも同様の説明をしまして、採用と相成ったわけです。

その他の実例を紹介しますと、


N邸では奥さんの要望で間仕切り家具を4分割にして、下着類を整理しやすいように、タンスを組み込みました。



N邸ではクローゼットは別に設けられましたので、デスクと本棚で構成しました。

このように、いろいろ要望を組み込んでいけるのも利点ですね。次回へ・・・・
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2007年01月24日

すまい方日記・その11

平成18年12月某日・矩計図作成の頃

日記・その9で紹介しました断面図をもっと詳細にした図を矩計図(かなばかりず)といいます。
建物の構造や納まりをあらわした、施工をする際には不可欠な図面です。
まだご紹介していませんが、断熱方法や、通気など住まいの快適性にかかわる方法もここにあらわしますので非常に内容の濃い(ごちゃごちゃした、わけのわからない)図面となります。

すみません。ごちゃごちゃしてわけわかんないかと思いますが、これがリビング、プレイルームの面をあらわした矩計図です。リビングの茶色で塗ったところに古材を利用しようと思います。リビングに備え付けられるカウンターも、古材をスライスして再利用です。

和室、玄関、寝室面の矩計図です。和室は屋根なりの空間に変更し、古材をポイントに使います。玄関は天井高が高くとれますので、それを利用してちょっとかわった空間に考えています。また、玄関と寝室の収納部分が高低差によって使い分けできますので、上部を寝室の収納に組み込みました。後日、Mさんより、玄関横にニッチ(飾り間)がほしいとの要望があり、弾丸型(?)のニッチを壁に盛り込みました。

 

階段、子供室の面の矩計図です。曲がった古材がありましたので階段の手すりに使います。また、階段の明かり窓を一工夫しようと、ステンドガラスをはめ込もうとなったんですが、せっかくだったら家族で自作しようとなり、制作の容易な30センチ角の小窓を3カ所設けることとなりました。

実はこの時点になるだいぶん前には模型や外観のパースも制作しておりまして、模型を見ながらの打ち合わせをしながらの進行となっています。が、いざブログでわかりやすく紹介しようとなると内と外を平行に説明するのは、自分の力量では無理と気づきました。というわけで、もう少し内部の設計のすったもんだを紹介して外観に進めていこうと思います。わからないことありましたらコメント下さい。

これから白川村です。新規店舗の現地測量なんですけど、ほんとに測量できるんやろか?スコップもっていってきます。

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2007年01月19日

すまい方日記・その10

古材、古民家の再生ってなに?

という問い合わせをいただきました。その名のとおり、使われなくなった民家を移築、解体して現代の住宅や店舗に再利用することなんですけど、それのどこが良いの?と問われれば、現在では入手が困難な大材(特に欅材、栗材など)が得られることや、年月の経過でしかなし得ない色合いなど、すなわち味があるってことにつきると思います。

ただ、なかなか希望する材種のものが手に入らないことや、高価なことなど(新品と比べても)よほどお施主さんのこだわりがなければ使えるものでもないんですけど、個人的に大好きですし、ほんと新築では得られない良さがあります。以下に古材を利用し、手掛けさせていただいた店舗を紹介します。

ぜひお出かけ下さい。



割烹居酒屋「膳」(末広町)です。

当ブログでおなじみの、昨日御用!となった居酒屋おやじさんのお店です。随所に古材を使いました。もう6年ほど経ちますが、いまでも古びることなく良い店です(自画自賛?)居酒屋おやじさんはブログの口調とおりのやんちゃな方ですが、店づくりのこだわりや、料理に関してはほんとたいした人です。ぜひお出かけ下さい。(姉妹店の「くりや」「いずみ家」もご贔屓に)

 

家具メーカー (株)キタニ  ミュージアム「邯鄲亭」ーかんたんていーです。

富山より移築された民家が、北欧家具の博物館として再生されました。場所はホテルアソシアを越え、2キロほどいった、右手にあります。日本でもめずらしい北欧家具の復刻やリペアをされている(株)キタニの工場敷地の一角にあります。その他、ショップやショールームもありますのでお気軽にお出かけ下さい。高山にもこんなとこがあったんかーとびっくりされることと思います。



七日町にひっそりとたたずむ「棗」-なつめ-です。

季節の味の店として2年前にオープンしました。店主が宣伝嫌いなものですから、あまり知られていませんが、知る人ぞ知る人気店になってきました。いまでも、欅の1枚板をもって(担いできたわけではありませんが)設計を依頼していただいた時を思い出します。ちなみにカウンターのイスは、(株)キタニが制作している、北欧のデザイナー・ヤコブ、ケアの名作椅子「FN Chair」です。店主はほめると調子に乗るタイプですのであまりほめませんが、異業種から修行して独立するまでになるには並大抵ではなかっとことと思います。随所に古材を利用していますのでぜひお出かけ下さい。

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2007年01月17日

すまい方日記・その9

12月某日・断面、空間の思案中の頃

平面のプランもだいぶん煮詰まってきました。ただあくまで平面であって、建築は立体物ですから
これからが正念場です。日記・その7でも記しましたように空間のイメージはありますが、そのまんまできるものでもなく、これから技術的な面や、予算面、そしていちばん大切な採光や通風・空調計画などいろいろな要素を加味しながら設計を進めていくわけです。

と、思案している頃に、Mさんよりメールが入りました。豚玉モダンさんよりご指摘のとおり、収納がどう考えても足らないので何とかしてほしいとのことです。いわれるように少ないことは解ってはいるんですが法規的にこれ以上面積を広げることはできない。

建ペイ率=198.40㎡(敷地面積)X0.4=79.36㎡>78.33㎡(現在の建築面積)

容積率=198.40㎡(敷地面積)X0.6=119.04㎡>116.63㎡(現在の延床面積)
                     *地下車庫(18.16㎡)は法規上緩和措置で算定外となります
                                         (日記・その4をご参考ください)

以上のように、建築面積ではあと1.03㎡(1m四方くらいです)、延床面積でも2.41㎡しか広げられません。(ある意味、これだけきっちり使い切ったことをほめてください)

はてさて、どないしようと考えたあげく思いついたのが小屋裏収納で、天井高を1.4m以内に抑えれば床面積に含まれません。ちょうどプレイルームと寝室の屋根裏を使えそうです。コレでいきましょうということになり、書いたのが下図です。

ただし、小屋裏収納は天井よりのハッチでの出し入れとなりますので、使い勝手は良いものではありません。普段使いのモノの収納は、手の届く所に収納するのがいちばんですので、まだまだ思案は続きます。

さて、リビングの断面はどうでしょうか?


黄色で塗ったところがリビングですが、ここの空間が腕の見せどころといったとこでしょうか。当初のMさんの希望とおり日本の洋館をイメージしながらデッサンしているときに、前回お知らせした吉報がまいこんできたというか、思いついた訳なんですが。

実は現在着工中の住宅でm邸(同じイニシャルなので小文字で)があります。m邸は新潟の古民家を再利用して計画した古民家再生住宅です。昨年の春より現地に出向き、調査をしながら計画を進めてきまして8月に解体しました。

(m邸については アブデザインWEB(works) をご覧下さい)






9月に高山に輸送してきました。



機会があればm邸もご紹介したいと思いますが、古民家の再生は結構大変で、現地で解体前に現況図を作成し、使えそうな部材をリストアップします。解体後に部材を再チェックして最終リストを作成して計画が始まります。10月に実施設計を完了し、11月に着工、現在基礎工事中ですが、新潟より移送してきた古材が計画部材と予備の部材を除いても余ることがわかりました。


m邸では余った古材をどうしようと思案し、M邸では空間をどうしようと思案。はたと思いついたのがm邸の古材をM邸で使わせてもらうことはできんやろか?ということでした。もちろんmさんとMさんは面識もなくただ設計事務所が同じというだけの関係です。ダメモトでmさんに相談したところ思いがけず快諾いただき、Mさんに相談したところ願ってもないことと大変喜んでいただきました。わたしも、あらたなやりがいができて八方すべてうまく事が進んで喜んだわけですが、ただ一人、設計をすすめていたM邸担当の青木だけは書き直しとなり、振り向いてはくれませんでした。

次回へ・・・

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2007年01月10日

すまい方日記・その8


おそまきながら

新年あけましておめでとうございます

建設業の仕事始めが遅いのと、曜日もあいまって9日より仕事開始です。
本年もよろしくどうぞ。

さあ、今年もがんばるぞ!と栗本にカメラを向けましたら、新年早々つきあっていられないと思ったのか、大人げないと思ったのか素直に振り向いてくれました。

M邸担当の青木は新婚早々でまだテレがあるようで一瞬だけ振り向いてくれました。すかさずカシャッ。

日記を続けます。

今回はダイニングキッチン(以下DK)です。DKはすまいの中でも機能性や収納性、そしてアイディアなどいろいろな要素が求められるスペースですが、私が基本にいつも考ているのは奥さん(家族)が毎日楽しく料理ができて、家族が楽しく食事の時間を共有できるということです。そのための機能性であり、合理性であるのであって、この辺をはきちがえるとどこかギクシャクしたスペースになりかねません。

下図が青木が書いたスタディの図面です。(すみません今回より縦方向に図面を表します)



M邸の場合、一番の問題が赤線で書きました居室から洗面室への動線と、リビングからキッチンへの動線が交差するのと、窮屈なことでした。図面を勝手口を取り入れたプランに修正してみましたらなおさらで、Mさん、奥さんと相談しながら手を加えたのが下図です。



まず、勝手口の袖壁を取り払い(この壁は構造上必要な壁でしたが、別強度確保で解決)踏み込みを外にする事でキッチンスペースにゆとりができました。(地下階段も下履きから上履きに変更)またAの部分も見通しが可能なデザインに壁を変更し、リビング、DK、プレイルームの一体感を強めました。当初ダイニングテーブルはカウンタースタイルを提案していましたが、食卓を囲むスタイルの方が良いということとなり、キッチン作業幅を奥さんと確認しながらぎりぎりまで詰めて(115センチ>85センチ)、ダイニングスペースを広げてみました。キッチン背面収納の波線は使用予定の電化製品のサイズです。だいぶん煮詰まってきたという感じですが、実は工事中に一番変更が多いのがDKなんです。打ち合わせ段階で、細かいところまで詰めるんですが、わかったようでわからないというのが実際で、本当に大切なのは工事中の進捗段階ごとに、現場で図面とすりあわせながら理解をしていただき、疑問があればその場で解決(変更)する体制を整えておくことなんです。

DK以外のスペースもこまごまと修正していますが、後々記します。

以下に事例を紹介します。

K邸では朝食はカウンタースタイルで、ダイニングテーブルスペースも確保しています。



N邸は大テーブルを想定した対面スタイルです。

A邸は奥さんの要望で背面を全面収納とし、子供たちの衣類も収納可能としました。奥に洗面室があります。あまりに収納ばかりだと重くなるので照明で変化をつけています。

Y邸はキッチン上部にプレイスペースがあります。

T邸は奥さんの要望で、レンジとシンクを対面とし、シンク天板は無垢材です。



H邸は奥さん、娘さんがパン作りがご趣味とのことでキッチンカウンターに大理石を埋め込みました。

次回は立体的な部分(建築用語では矩計といいます)を紹介しようと思いますが、この時点でMさんに吉報が舞い込みます。次回へ・・・

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